Home > リスク回避のための職場環境の構築 > 職場内におけるセクハラ・パワハラ・いじめ等の防止対策

対策を怠ると命取りになる!!

セクシャルハラスメントの典型的な例は体を触ったり、交際を迫ったり、卑猥な言葉を浴びせるなど様々です。あと「女のくせに」はもちろん「男のくせに」という趣旨の発言もセクハラに該当します。

パワーハラスメントは徐々に認知度は進んでいますが、その対策はセクハラに比べると(それでも不十分なところはまだ多いです)、さらに遅れていると言わざるを得ないのが実情です。パワハラとは力関係を利用した(上司や先輩はもちろん、会社ぐるみの場合も)いじめや嫌がらせ、限度を超えた職務上の指導などのことです。見せしめ的に些細なミスなどを理由に怒鳴りつけたり、暴力(言葉の暴力も含みます)を振るわれる、人格を否定するような発言をする、達成不可能な過大なノルマを課せられる、仕事を与えられない、懲戒解雇をちらつかせて退職を迫るなど様々なケースがあります。

職場内でのいじめ・嫌がらせとは上記2つに加え、同僚同士のいじめや取引先からのいじめなど、セクハラ・パワハラには該当しないケースです。最近ではそれらを称してモラルハラスメントと言われることもあります。

いずれにしても被害者の精神的ダメージは計り知れないものがあります。

よく言われるのが「いじめられるほうにも原因がある」「大人なんだから自分で解決しろ」などです。一見もっともらしく思えますが、果たしてそうでしょうか?いじめはれっきとした不法行為(場合によっては犯罪にもなる)であり、それが許される理由はありません。また自分がいじめられたらどのような気持ちになるでしょうか?

それらを防止するための基本はやはり「自分の嫌なことはほかの人にもしない」の一言に尽きます。

さらにいじめを放置することにより、被害者が精神疾患などにかかるなど健康面でも重大な影響を与えるだけでなく、最悪の場合自殺ということにもなりかねません。それを放置することは従業員を生命の危機にさらしている言っても過言ではありません。その責任は加害者はもちろん、使用者責任ということで会社側もそれが追及されます。それが原因の労災認定も増えてきております。サービス残業と同様、またはそれ以上に御社にとって様々なマイナスの影響を及ぼすことになり、命取りになります。法令コンプライアンスの観点からもその対策は必要不可欠と言えます。

そうは言いましてもいじめなどは根深い問題があります。だからこそセクハラ・パワハラ・いじめは絶対に許さない毅然とした姿勢を取る事が重要ですし、結果としてリスク対策につながります。

当事務所ではそのためのサポートも全力を挙げて取り組んでいます。

セクハラ・パワハラ・いじめの裁判例

A消費者金融事件
女性パート社員Bに対し、上司Cが食事会で太ももなどを触った。抗議されると上司Cが「ここにいられなくなるぞ」など発言したことで、Bは体調を崩し休職していることの因果関係を認めた。
(京都地裁:平成18年4月27日)

東京セクハラ(N航空会社)事件
社史編集プロジェクトリーダーであるYが、プロジェクト協力会社から派遣されてきた女性社員Xに対し、昼食時にセクハラ発言をしたり、出張に同行させ帰りの公園でキスなどをした。
※ 派遣先上司によるセクハラ事件

(東京地裁:平成15年8月26日)

K製薬会社事件
上司から「お前は給料泥棒だ」「目障りだから消えてくれ」などの暴言を浴びせられ続けた会社員が自殺。暴言が自殺の引き金になったかどうかが争われた訴訟の判決で、自殺と暴言の因果関係を認め、会社員の死を労災と認めた。
(東京地裁:平成19年10月15日)
※元々は労災申請が労基署によって不支給と認定されたので、その取り消しを求めて争われた裁判。国は控訴せず、労災と認定された。
これとは別にK製薬会社側への損害賠償請求も認められた。K製薬会社は控訴したが、後に和解が成立。

これらは、ほんの一例です。様々な事例がありますので、かけがえのない従業員の命を守るためにもその対策は欠かせません。
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